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クロメート処理における三価と六価のちがい
①クロメート処理とは
金属(主に亜鉛メッキされた部品など)に対して、クロム化合物を使って化学的に皮膜を作る処理です
この処理を行うことで
〇金属の耐食性(サビにくさ)が大きく向上
〇表面に光沢や色合い(黄色、青、黒など)を出すこともできる
②「三価(さんか)」「六価(ろっか)」とは
主に化学で使われる言葉で「ある元素がいくつの価電子(電子)を使って他の原子と結合するか」を表しています
つまり、その元素が他の原子と結合できる数(結合の手の数)のことです
〇「三価」= 電子を3個放して、他の原子と3つの結合をする
〇「六価」= 電子を6個放して、6つの結合をする
価数が大きいほど、反応性や酸化力が強くなることが多い
従って、クロメート処理における三価クロムと六価クロムとは、金属の防錆処理(腐食防止)でよく使われ化学的性質、安全性、環境への影響等は以下の表を参考にしてください。
| 項目 | 三価クロム | 六価クロム |
| 結合の数 | 少ない(3本) | 多い(6本) |
| サビ止め効果 | 少し弱いけど十分 | とても強い |
| 安全性 | 安全(毒性が少ない) | 危険(毒が強い、発がん性あり) |
| 環境への影響 | 良い(環境にやさしい) | 悪い(規制されている) |
| 色 | 青〜緑っぽい | 黄色っぽい |
| よく使う場所 | 自動車部品・家電・建材・電子機器など | 自動車部品・航空機部品など |