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不動態

不動態とは

 不動態とは、金属の表面に酸化した皮膜(薄膜)ができ内部を酸による腐食や酸化などから保護する状態のことを指します。この酸化皮膜(不動態皮膜)は、耐食性を大幅に向上させます。

不動態化しやすい金属

不動態を形成しやすい代表的な金属は以下のとおりです。

ステンレス鋼(Fe-Cr合金) → クロム(Cr)が酸化膜を形成
アルミニウム(Al) → 自然に強固な酸化皮膜を生成
チタン(Ti) → 高い耐食性を持つ酸化皮膜を形成
ニッケル(Ni) → 硝酸などの酸化性環境で不動態化

不動態の形成メカニズム

  1. 金属表面が酸素や酸化性の環境にさらされる
  2. 表面に極めて薄い酸化皮膜(数ナノメートル程度)が形成
  3. この皮膜が金属を保護し、さらなる腐食を防止

不動態とめっきの関係

不動態皮膜は、めっき処理の妨げになることがあります。特にステンレス鋼やアルミニウムは不動態皮膜が強固なため、めっき前処理での工夫が必要になります。