2021/09/21
硬質無電解ニッケル処理(HV770)
・一般的に硬質の無電解ニッケルめっきは、めっき皮膜中のリン含有率が低いめっき、還元剤にホウ素を用いためっき、高硬度の元素を合金化しためっき、めっき皮膜中に微粒子を析出させた複合めっき、まためっき後に熱処理を行い硬度を高める処理が知られています。
今回、弊社独自の研究により、それらの技術を用いず、従来の中リンタイプでありながら、ビッカース硬度HV770の硬質無電解ニッケルめっきを開発致しました。
当めっき技術を開発したことにより、従来の中リンタイプとめっき処理費用は変わらず、耐摩耗性等に優れためっき処理を行うことが可能になりました。
■弊社硬質無電解ニッケルめっきの特徴
- ビッカース硬度HV770
- 耐摩耗性に優れる
- 外観、耐食性などの性能、めっき処理費用が従来の中リンタイプと同等
- アルミ、ステンレスなどの素材にもめっきが可能
- 皮膜中リン含有率7~8%、RoHS指令対応
■ナノインデンターによる硬度測定
(CSM Instrumennts社製)
測定箇所 | ビッカース硬度[HV] | |
熱処理無 | 400℃熱処理後 | |
1 | 773 | 940 |
2 | 781 | 925 |
3 | 763 | 971 |
平均 | 772 | 945 |
*硬質無電解ニッケル1MTOサンプルを測定
技術情報M-2021-004